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弱い者の戦い方

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弱い者が強い者と戦って勝つ方法って何だと思いますか。

身近な例でいうと、成績の悪い者が志望校に合格する方法みたいな意味で考えていただいてもいいです。

それはまず、自分が弱い者であると認めることです。

次に、弱い者の戦い方を知ること。

そしてその戦い方を実行することです。

力の差ははっきりしているのですから、弱い者が強い者に完全に勝つことはできません。

でも、ある一部分に限れば弱い者が強い者に勝つことは可能なのです。

戦争にも、人生にも、経営にも、勉強にも弱い者の戦い方というものがあります。

実は僕自信、自分が決して強い者ではなく弱い者であると認識しており、その弱い者の戦い方に忠実に行動しているのです。

学習塾経営、講師の請負といった仕事から、畑作業に至るまでです。

もちろん弱いといっても病気がちで体が弱いということではなく、資本、ブランド、社員数など大手には到底敵わないという意味です。

その弱い者の戦い方という考えに至ったのは10年前、たまたま本屋で見つけたとあるビジネス書がきっかけです。

それ以来、弱い者の戦い方というテーマで自分なりに研究を続け、その考え方を自分の身に完全に染み込ませてきました。

ちなみに今の僕の本棚の画像がこちら。そんな感じの本がいっぱいです。


ある日突然40億円の借金を背負う・・・?


そんな弱い者の基本姿勢には例えば次のようなものがあります。

・贅沢や無駄遣いをしない、大金をつぎ込まない

・長時間労働をし、休みもとらない(労働者にさせるのは違法だが、経営者自信がする分には全く問題なし)

・何でも幅広くやるのではなく一点に集中する

・強い者と同じやり方をしない

最後の「強い者と同じやり方をしない」についていえば、弱い者が強い者と同じやり方をすれば強い者が勝つに決まっているという単純な真理があるのです。

例えば全く同じ商品を同じ条件、同じ売り方で売っているとした場合、消費者は無名の個人商店から買うでしょうか、それともブランドのある大手の店舗で買うでしょうか。

普通は安心の大手を選ぶはずです。個人商店に勝ち目はないのです。

逆にその個人商店が大手に部分的にでも勝つには、大手と違う商品を違う条件、違う売り方で売るしかないでしょう。

つまり、弱い者が勝つためには専門化するのです。

質の高いお客様なら、何でも屋ではなく、専門家へ依頼するとも言えるでしょうし。

そうすれば大手に完全には勝てなくても、その商店が生きていくには十分な利益くらいなら得られるはずです。

弱い者は強い者と同じやり方をしてはいけないのです。

失敗する人は自分が弱い者であることを認めずにかっこいい強い者と同じやり方で正面から戦って敗れていくものです。

こういった弱い者のとる行動こそが僕の生き方でもあるのです。

実例

先日こんなことがありました。

ふと思いついてgoogleで自分のサイトが出てくるか「函館 塾」と検索してみたのですが・・・。

google先生

ちなみに広告にある家庭教師のT社は「青森 塾」で検索すると「青森で選ばれている家庭教師」、「岩手 塾」で検索すると「岩手で選ばれている家庭教師」などと出てきて、沖縄までずっと選ばれています。

どれだけ選ばれ続けているんですか。

とにかく検索結果を下にスクロールしてみましょう。


あった。

自分のサイトは発見できましたが、この画像を見てある異変にお気付きいただけたでしょうか。

長らく更新されていない塾協会のサイトをついクリックしちゃったとか、ページがモバイルフレンドリーじゃないよとgoogle先生から痛いところを指摘されているとかではなく、赤線の部分です。(赤線は僕が入れました。)

名前は伏せましたが、「ある塾」(上の方)と僕の塾(下の方)のタイトルと説明文が非常によく似ています。

初め、自分の塾だと思って間違ってそちらをクリックしちゃったくらいですからね。

並べてみると、



「ある塾」


記号を含む始めの18文字分がそのまま同じで、その後が、「半角スペース+縦棒+半角スペース+塾名+教科名」となっている構成まで同じです。

検索結果では途切れていますが、「ある塾」の方はクリックすると塾名のあとに科目名が続いていることがわかります。

激似。

これ、あかんやつや。

これはいったいどういうことでしょうか。

考えられる原因は恐らく次の4つです。

1. 僕が「ある塾」を真似した

2. 「ある塾」が僕を真似した

3. 宇宙人的な仕業による

4. 偶然の一致

1つずつ検証してみましょう。

1. 僕が「ある塾」を真似した

僕が「ある塾」の表現を真似した。世間が見ればこの可能性が最も高いでしょう。

弱小塾が大手塾の表現を真似する。一般的には、ああ真似したのね、という評価でしょうか。

ああそういえば真似した記憶が・・・、ないない。ないよ。

このタイトル作ったの間違いなく僕ですからね。

ホームページを作ったことがある方ならおわかりだと思いますが、ホームページのタイトルや説明文というのはあまり長くするとよくないので、適切な長さにする必要があります。

タイトルを決めるときには一定の文字数に収めるのにかなり試行錯誤することになるのです。

例えば渋谷と渋谷区と渋谷駅は微妙に意味が違うのですが、同じようにタイトルの始めを「函館」にするか「函館市」にするのかでまず悩みました。

より意味を広くするために「市」を入れたのです。「市」があって損はないですしね。

記号の「・」を使うべきか句点「、」を使うべきかもよく考えて決めた記憶があります。

「市」を入れたせいで一文字増えています。それであとに来るところを「高校生・浪人生」にすると文字が1つ多いから苦肉の策で「生」を削って、でも「浪人・高校生」はなんかおかしいから「高校・浪人生」にしたという、全角一文字を巡る自分の中でのくだらないせめぎ合い。

「半角スペース+縦棒+半角スペース+塾名」にするのか「全角スペース1つ+塾名」にするのか。

あるいは記号「~」は使っても良いのか、それは文字化けしないのか、そもそも「~」って文をつなぐ記号でもなんでもなく単なる「から」ですからね。「~」じゃなくてやっぱり全角スペースにするのがいいか、いや句点にするのがいいか。

はたまた塾名が先か、教科名が先か、教科名にしてもその間は「・」か「、」かという同じような問題の再燃。蒸し返し。

このようにいろいろ悩み抜いて作ったのがこの文言なわけです。

まさかそんなにどうでもいいことをそこまで真剣に考えていたとは思いますまい。

自分の命をかけて真剣にホームページを作るってこういうことなんですよ。

「高校生・浪人生」ではなくわざわざ「高校・浪人生」という表記にしてあることを合理的に説明できるのは著作者のみなのだ。

そして何よりも、大手の真似をしたら負けるのは弱い者の方であるということは10年前から知っているんですよ。(この文章の初めの方を参照)天下の東進には勝てません。勝てないなら始めから戦わないのです。

自分の事業を成功させるためのやり方は必死に研究しているんです。自分で自分の首を絞めてどうするんですか。

そういうわけで、1. 僕が「ある塾」を真似した、この可能性は絶対にありません。

2. 「ある塾」が僕を真似した

「ある塾」の方が僕を真似した?信頼と実績のある大手塾がまさか弱小塾の文言を真似するとは思えません。世間の常識というやつですね。

この可能性もない。あってはならない。

3. 宇宙人的な仕業による

ということは宇宙人的な仕業による?

宇宙にいる「情報ナントカ体」が何らかの目的と手段でgoogleの検索結果を書き換えた。

わけがない。

4. 偶然の一致

以上3つの可能性は事実上考えられませんので、現実的に考えると、偶然似てしまったという結論に落ち着きます。

それなら納得です。これは偶然なんですよ。

なぜ言葉や記号の選定、並び順を含め同じ構成なのか。偶然だからです。

なぜ妙な記号「~」を同じ箇所に使っているのか。偶然だからです。

なぜ「・」や「、」の使い方が同じなのか。偶然だからです。

「ある塾」の方のタイトルで「高校・浪人生・中学生・小学生」とありますが、なぜ「浪人生・中学生・小学生」は全て「生」がついているのに「高校」だけ生がついていないのか、それは偶然だからです。

何でもやるよと言わんばかりに中学生と小学生に対応していることを示そうと、僕のタイトル表記の後ろに「中学生・小学生」をとって付けたような形になっているのも偶然です。

タイトルの下の説明文もそっくりなのですが、僕が文字数を減らそうと必死に考えぬいて本当は「高校1年生、高校2年生、高校3年生、浪人生・高卒生」としたいところを、やはり文字数を減らすために浪人生の生を削っただけで諦めず、「高校1年生・2年生、高校3年生、浪人・高卒生」と少し厳しいが、2年生の方ごめんなさいと泣く泣く縮めて受験生ではない1年生と2年生を1つにして無理矢理2文字、合計3文字節約した苦労のあとが読み取れるこの表記が一致しているのも全くの偶然なのです。

同じくタイトル下の説明文中で句点の使い方を見ると、信頼と実績三十数年の「ある塾」と表記が同じ箇所(「浪人・高卒生」までと「センター試験」の辺り)は「、」で区切ってあるのに、僕の方にはなくて信頼と実績三十数年、市電広告も出している「ある塾」だけにしかない文言(「中学生」以降)では、半角のカンマ「,」が混ざって使われているのも全て偶然なのです。

文書を作る業の者として、半角カンマを日本語文章中に混ぜるのは例えていうと、そう、お尻を拭かないような気持ち悪さがあるため、僕はいつも「、」しか使いません。なお、尻は拭きます。念のため。

偶然というのは本当に恐ろしいものです。

問題点と解決方法

何が問題か。

そもそもどちらが先にこの表記を使用していたのかという点については、google社やその他webキャッシュ提供サービスを行っている業者が保有するキャッシュの記録が証拠となるでしょう。

実際にダブルクオーテーションマークをつけて"函館市の学習塾・予備校~高校・浪人生"で検索すると、これと完全に一致する表記だけが出てくるのですが、キャッシュについては今のところ僕のサイトしか出てきません(2017年2月24日現在)。

こちらが昔から存在するということになるでしょうが、どちらが先かということについてつまらない騒ぎを起こすつもりはありません。

念のためキャプチャは撮っておきましたけどね。

しかしながらこの恐ろしい偶然によって2つの塾の表記が似てしまったという事実それ自体はあるのです。

そして表記が似てしまうと大きな問題が発生します。

中盤でも少し書きましたが表記が似ている場合、世間一般の評価として、偶然でもなくもちろん大手が僕を真似したのでもなく、弱小の僕が大手を真似したというように思われることが問題なのです。

少なくとも一定の期間、僕が他サイトを真似していないのに真似したと思われ、悪い評判が立っていた可能性がある。これが問題なのです。

これはいただけません。

例えば1月2日朝6時、正月で深酒をして明け方に眠りについたばかりの江戸川区在住鈴木氏のところにいきなり、

「お前、東京ソラマチのカルディアで盗みをはたらいただろ!」

部屋に上がり込んできた刑事がドスの利いた声で言った。

眠い目をこすりながら鈴木は答える。

「引きこもり続けているのでもう10年間外出すらしていませんが」

「ああ・・・」

後悔する刑事。これから始末書だ。次のボーナスはカットか、でもこのタレコミはいったい・・・などと思い詰めた表情で新興住宅街をあとにするのだった。

そんな感じです。何なのこれ。

とにかくこのままでは偶然の一致のせいで、僕が泥棒呼ばわりされてしまう、あるいは既にそう思われている可能性があります。

偶然の出来事ですので、大手塾の方に表記を変えてくれとも言えません。

しかしこのままではあんまりなので、自分のサイトの表記を早急に変えました。単純な解決方法。

それがこちら。


ちょうどいい。大手が何でもやる系ならこっちは専門家だ。

はっきりと何でもやる塾ではない、大学受験の専門家だと書けば、今度は偶然同じ表現になることもないでしょう。

そう、これが弱い者の戦い方なのです。

ちなみに僕が自分のサイトの表記を変えて数日後、「ある塾」の表記も例の表記から別の表記へと変わってしまいました。偶然に。


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