漏れる理論
画期的な新理論
受験までまだ何ヶ月もある。まだやらなくても間に合うだろう。
そう甘く考えている受験生に厳しい現実を知ってもらいたい。
そこで考えたのがオリジナルの「漏れる理論」というやつです。
受験までの時間感覚の落とし穴を壮大な比喩で例えた画期的な新理論です。
30分後の場合
想像してください。
今、少しトイレに行きたい状態です。現時点ではまだ我慢できるくらいの感覚です。
しかし、今から30分後には確実に限界が来ます。近くにトイレはありません。タイムリミットは30分。
そして今すぐにトイレに向かって動き始めれば、ちょうど30分後にトイレに到着できるとします。
このときあなたはどうしますか?
今すぐに動き出しますか?
それとも、今この瞬間はすぐにどうなるというわけでもないから、まだ余裕だと思ってその場に留まりますか?
間に合わないと気付くとき
30分後が限界で、トイレまで30分かかるわけですから、落ち着いて考えれば今すぐに動き出す以外の手はありません。
ただ、現時点ではまだ問題は起きていません。まだ我慢できるのです。
すると、まだ大丈夫だろうと思って10分くらいそのままでいるかもしれません。
下手したら、20分くらいそのままでいて、そろそろ行かなきゃなと思った時に気付くのです。
期限まであと10分。トイレまで30分かかる。これってもしかしてもう間に合わないのでは?
そしてまもなく訪れる悲惨な未来に薄々気付きながらも、もしかしたらまだ間に合うかもしれないと僅かな希望を持ち、ようやく動き出したところでタイムリミットとなるのです。
5分後の場合
これがもし5分しかもたない状態で、トイレまで5分かかるとしたらどうでしょうか。
すぐにトイレに向けて出発するのではないでしょうか。
そう、タイムリミットまでのカウントの数字が大きいと、現実には余裕がないはずなのに余裕があるように思えてしまうのです。
「我慢できる時間=トイレに着くまでにかかる時間」という関係は同じなのに、30分だと余裕を感じ、5分だと追い込まれているように思えるのです。
30分の場合でも追い込まれているべきなのにです。
受験に理論を応用
期限までの時間が長いと、本当は余裕がないのに余裕があると思って行動しない。ギリギリになって追い込まれてやっと行動するがそれではもう間に合わない。
受験に話を戻しましょう。
10ヶ月分勉強しないと間に合わない状態で、受験まで10ヶ月しかないとします。
この状況ではすぐに動かないといけないはずです。でも現実が見えていない人は動かないのです。
そして6ヶ月経過した時点でだらだらと2ヶ月分くらいの勉強しかしておらず、受験の4ヶ月前になって気付くのです。
「残り4ヶ月で8ヶ月分やるのってもしかして無理なのでは?」
秋に気付く法則
受験で失敗する人はまだまだ余裕だとずっと思い続けていて、秋くらいにふともう間に合わなくなっていたことに気付くということが非常に多いのです。
ここで注意していただきたいのは秋に間に合わなくなったのではなく、もっと前に既に間に合わなくなっていたことに秋に気付くということです。
このままでは間に合わないと分かっていながらも放置し続け、慌てて秋にもしかしたらまだ間に合うかもしれないと僅かな希望を持ち、やっと動き出す。
そんな自分を想像できますか?
限界まで何分で、必要な時間は何分でしょうか。
今動くべきでしょうか。
それともまだそのままそこにいていいでしょうか。